新しい年を迎えたと同時に、ご多分に漏れずインフルエンザが各地で流行しています。とくにA型が多いようですが、他の型も油断はできません。片方にかかっても、油断しているとまたもう一方にかかってしまう可能性があるとのことです。当然、予防に関しては細心の注意が必要だと感じます。
寒い冬は当然気温が低く、空気も乾燥するため、インフルエンザウイルスが一番好む「低温乾燥」と呼ばれる条件と環境が揃っています。
空気が乾燥すると、鼻や喉の粘膜も乾燥しがちで、ウイルスや細菌に対する防戦能力が弱まり、風邪やインフルエンザに大変かかりやすくなってしまいます。
人間の体内には、免疫機能に重要な役割を果たす、いわば気鋭の兵隊「免疫細胞」といわれるものが存在します。たとえば、ナチュラル・キラー細胞(NK)細胞、好中球、マクロファージ、樹状細胞、T細胞、B細胞と呼ばれるものがそうです。
これらの免疫細胞が、カラダの中を巡回して、侵入した病原菌などの外敵をやっつけたり、体内で発生したガン細胞を壊したりすることで、わたしたちを病気から守ってくれています。
腸にはこれらの全免疫細胞の6割以上が存在し、“人体最大の免疫器官”とも言われています。
腸は「内なる外」とも呼ばれ、口から食べ物や飲み物と混じって病原菌やウイルスが頻繁に入り込んできます。このため、腸には外界から侵入する異物や病原体を排除できるよう免疫細胞が集中していると考えられています。
この様に、腸内環境の悪化は腸の免疫機能の低下に直結するため、有害物質に立ち向かえない時は風邪やインフルエンザ、アレルギーの発症などさまざまな病気を誘発してしまいます。
ところで、免疫力が高まる腸内環境は善玉菌が喜ぶ酸性であることが基本です。
乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌はオリゴ糖や食物繊維の一部をエサとして、短鎖脂肪酸(特に酪酸)という物質を生み出します。この短鎖脂肪酸は、腸内環境を酸性に保つはたらきがあるほか、腸管の粘膜を保護して外部から侵入した病原菌が、腸内で増えるのを防ぎ、感染を防御する役割を果たしています。また短鎖脂肪酸が作られると過剰な免疫反応(アレルギー)を防ぐことにもつながります。つまり、腸活により腸内環境が整うことで、腸が持つ免疫機能を整えることができ、病気予防に役立つことになります。
また、腸活を成功させるためには睡眠にも意識を向けることが大切です。消化管は、休息をつかさどる副交感神経が優位になると活発に動きます。そのため、ゆったりとリラックスして眠ると腸は活発になり、夜のあいだに便を運んでくれて次の日には朝食を食べるとスルッと排便できるようになります。
逆にストレスを抱えたまま寝たり夜更かしをしたりすると緊張状態が続いて交感神経が優位になり、消化管の動きも鈍くなって、ウサギの糞のような丸くて細かい便になってしまいます。
寝る前にはリラックスタイムを設けて、睡眠の質を高めるように意識してみましょう。